【映画】おくりびと
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『おくりびと』(英題:Departures)は、滝田洋二郎が監督を務めた2008年の日本映画。第81回アカデミー賞外国語映画賞 、および第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品である。
概要
本木雅弘が、1996年に青木新門・著『納棺夫日記』を読んで感銘を受け、青木新門宅を自ら訪れ、映画化の許可を得た。その後、脚本を青木に見せると、舞台・ロケ地が富山ではなく、山形になっていたことや物語の結末の相違、また本人の宗教観などが反映されていないことなどから当初は映画化を拒否される。
本木はその後、何度も青木宅を訪れたが、映画化は許されなかった。「やるなら、全く別の作品としてやってほしい」との青木の意向を受け、『おくりびと』というタイトルで、『納棺夫日記』とは全く別の作品として映画化。映画公開に先立って、小学館でさそうあきらにより漫画化されている。
スタッフロールに表記はないが、映画の完成までには本木と、本木の所属事務所元社長の小口健二の働きは大きい。
あらすじ
プロのチェロ奏者として東京のオーケストラに職を得た小林大悟。しかし、ある日突然楽団が解散し、夢を諦め、妻の美香とともに田舎の山形県酒田市へ帰ることにする。
就職先を探していた大悟は、新聞で「旅のお手伝い」と書かれた求人を見つける。てっきり旅行代理店の求人と思い込み「高給保障」や「実労時間僅か」などの条件にも惹かれ、そのNKエージェントの面接へと向かう。面接した社長は履歴書もろくに見ず「うちでどっぷり働ける?」の質問だけで即「採用」と告げ、名刺まで作らせる。
大悟はその業務内容が納棺(=NouKan)と知り困惑するが、強引な社長に押し切られる形で就職することになる。しかし妻には「冠婚葬祭関係」としか言えず、結婚式場に就職したものと勘違いされてしまう。
早速出社すると、納棺の解説DVDの遺体役をさせられ散々な目に遭い、さらに最初の現場では孤独死後二週間経過した老女の遺体と対面し、現場の異臭と壮絶な状況に嘔吐をもよおしながら仕事の厳しさを知る。
少しずつ納棺師の仕事に充実感を見出し始めていた大悟であったが、噂で大悟の仕事を知った幼馴染の銭湯の息子の山下から「もっとましな仕事さ(=に)就けや」と白い目で見られ、仕事の内容を知った美香にも「そんな汚らわしい仕事は辞めて」と懇願される。大悟は態度を決めきれず、美香は実家に帰ってしまう。さらに、ある現場で不良学生を更生させようとした列席者が大悟を指差しつつ「この人みたいな仕事して一生償うのか?」と発言したのを聞いたことを機会に、ついに退職の意を社長に伝えようとするが、社長のこの仕事を始めたきっかけや独特の死生観を聞き思いとどまる。
場数をこなしそろそろ一人前になったころ、突然妻が大悟の元に戻る。妊娠を告げられ再び納棺師を辞めるよう迫られた大悟に仕事の電話が入る。その内容は、一人で銭湯を切り盛りしていた山下の母、ツヤ子の納棺であった。山下とその妻子、そして自らの妻の前でツヤ子を納棺し、その大悟の細やかで心のこもった仕事ぶりに山下とは和解し、妻の理解も得る。
そんなある日、自宅に亡くなった大悟の母宛ての電報が届く。それは大悟が子供の時に家庭を捨て出て行った父、淑希の死を伝えるものであった。「今さら父親と言われても…」と当初は遺体の引き取りすら拒否しようとする大悟に、自らも帯広に息子を残して男に走った過去があることを告白した同僚の上村は「最後の姿を見てあげて」と説得する。美香にも説得され、社長に車を借りて遺体の安置場所に向かった大悟は、30年ぶりに対面した父親の納棺を自ら手掛ける。
キャスト
小林 大悟:
本木雅弘(幼少時:井桁雅貴)
小林 美香:
広末涼子山下 ツヤ子:吉行和子
佐々木 生栄:山崎努
上村 百合子:余貴美子
平田 正吉:笹野高史
山下:杉本哲太
山下理恵:橘ゆかり
山下詩織:飯塚百花
小林 淑希:峰岸徹
ツヤ子の孫娘:松田七星
富樫直美:宮田早苗
上記の女性の夫・富樫:山田辰夫
曽根崎:石田太郎
大悟が所属していたオーケストラの指揮者:飯森範親
小林 和子:星野光代
留男:白井小百合
留男の母:小柳友貴美
留男の父:大谷亮介
スタッフ
# 監督:滝田洋二郎
# 脚本:小山薫堂
# 音楽:久石譲
イメージソング:AI「おくりびと」
公開:2008年9月13日
上映時間:130分
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